富良野といえば国民的な人気ドラマ「北の国から」が連想されますが、ドラマの随所に富良野のゴミ問題の取り組みやその目的などが織り込まれています。主人公黒板五郎の息子純は「95帰郷」で市役所の清掃臨時職員になり、五郎は生ゴミを堆肥にしていました。五郎が最後に住んだ「石の家」や五郎が作った「拾って来た家」はそのまま残され観光名所にもなって、そのメッセージを送り続けています。 富良野は豊かな自然を守り・生活環境を守る努力をしています。その「富良野方式」の一部をご紹介いたします。 富良野市では「燃やさない、埋めない」をスローガンに、徹底した分別とリサイクルによるごみの減量化に取り組んでいます。平成13年からはゴミの減量化を目的にゴミ袋の有料化に踏み切り、住民もゴミ分別(14種区分24分類)に協力・実行しています。 近年、環境問題・特にゴミ処理問題は各自治体とも最重要課題となり、「容器包装リサイクル法」「家電リサイクル法」や「ゴミ処理に係るダイオキシン類発生防止等ガイドライン」などの法令により、ますますゴミ処理問題への自治体の取り組み強化が重要になってきました。富良野では全国に先駆けてゴミ処理問題に官民一体で取り組み「富良野方式」と呼ばれる資源循環型の街づくりを構築し、ゴミのリサイクル率93%に達しています。その取り組みを参考にしようと、全国の行政や関係機関から年間200件もの視察団が富良野を訪れます。
昭和57年当時は生ゴミを含め全て埋め立て処分を行っていましたが、悪臭や有毒ガス、汚水による環境汚染や衛生問題が発生しました。あと数年で処分場が埋め尽くされてしまうという状況で、生ゴミを資源化する方法を検討することとなり、その中から生ゴミを堆肥化させる取り組みが始まりました。 時を同じくして富良野の基幹産業である農業関係者の間では、市の農政課が「土づくり運動」を提唱し、生産性を高めるために使ってきた化学肥料の使用を見直し、土が持っている本来の機能を回復させ「肥えた土」づくりに取り組みをはじめました。 そこで市の農政課と生活環境課が共同で昭和60年に有機物供給センターを建設し生ゴミの有機肥料化を実現しました。現在では1日平均13トン発生する生ゴミを処理し農協を通じ農家に販売しています。 富良野の農業は化学肥料を少なくし堆肥などの有機肥料を利用することにより、安全で安心な農作物の提供を目指しています。 写真:有機肥料化された生ゴミ